英語の文章を読んでいて、英単語が自分の思っているスペルと違って、戸惑ったことはありませんか?
スペルミスと考えがちですが、それはイギリス英語とアメリカ英語の違いかもしれません。
例えば中心という単語で言うと、イギリス英語のスペルは「centre」、アメリカ英語のスペルは「center」です。
今回はイギリスに9ヶ月間留学経験のある筆者が、イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いの7つのパターンについて解説します。
イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いをチェックできる無料サイトや、無料アプリについても紹介しますので、イギリス英語バージョンのスペルを学ぶための参考にしてくださいね。
学生時代に大学を1年休学し、イギリスに9ヶ月間留学。
日中は現地の小中学校で日本語教師のアシスタントを務めながら、公立カレッジの夜間コースでイギリス英語を学んだ。
歴史的な建造物、緑豊かな公園、近代的なビルやお店が一体となった、ロンドンの独特の雰囲気が好き。
イギリスに行くなら、博物館や美術館巡り、ミュージカル鑑賞を楽しむのがおすすめ!
イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違い7つのパターン
イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いのなかで、代表的な7つのパターンを紹介します。
パターンを知ることによって、単語を一つひとつ覚えるよりも効率的にイギリス英語のスペルが覚えられるはずです。
それでは順番にチェックしていきましょう!
スペルの違い①:イギリス英語-yse/アメリカ英語-yze
イギリス英語で語末が「-yse」の動詞は、アメリカ英語では常に「-yze」と表記されます。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 日本語 |
analyse | analyze | 分析する |
paralyse | paralyze | 麻痺させる |
スペルの違い②:イギリス英語-ise/アメリカ英語-ize
イギリス英語で語末が「-ise」の動詞の場合も、アメリカ英語では「-ize」が使われるのが特徴です。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 日本語 |
apologise | apologize | 謝罪する |
memorise | memorize | 覚える |
organise | organize | 組織する |
realise | realize | 気づく |
ただし、イギリス英語でも「−ize」が使われるケースもあります。
イギリスでは「-ise」「-ize」どちらを使っても間違いではありません。
アメリカ英語では、「-ize」のみが使われているので、注意しましょう。
スペルの違い③:イギリス英語-our/アメリカ英語-or
イギリス英語では語末が「−our」、アメリカ英語では語末が「-or」になるのはよく知られているスペルの違いの1つ。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 日本語 |
behaviour | behavior | 振る舞い |
colour | color | 色 |
honour | honor | 名誉 |
humour | humor | ユーモア |
neighbour | neighbor | 近所の人 |
イギリスでこれらの単語に「-our」が使われるようになったのは、フランス語の影響によるものと言われています。
スペルの違い④:イギリス英語-re/アメリカ英語−er
イギリス英語では語末が「-re」、アメリカ英語では語末が「−er」になるのも、典型的なスペルの違いです。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 日本語 |
centre | center | センター |
litre | liter | リットル |
metre | meter | メートル |
theatre | theater | 劇場 |
fibre | fiber | 繊維 |
「−our」と同様、イギリス英語の「−re」のスペルはフランス語に由来するもの。
アメリカ英語では、より発音に近いスペルにするために、「-er」が使われるようになりました。
スペルの違い⑤:イギリス英語-ogue/アメリカ英語-og
イギリス英語で「-ogue」で終わる名詞の場合、アメリカ英語では「−og」で終わるのが一般的です。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 日本語 |
catalogue | catalog | カタログ |
dialogue | dialog | ダイアログ |
アメリカ英語でも「-ogue」が使われる場合もあり、間違いではありませんが、「−og」の方がより多く使われています。
イギリス英語では「-ogue」のみが使われているので注意してくださいね。
スペルの違い⑥:イギリス英語-ence/アメリカ英語-ense
イギリス英語で「-ence」で終わる名詞の多くは、アメリカ英語では「-ense」で終わります。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 日本語 |
defence | defense | 防御 |
licence | license | 認可、許可証 |
offence | offense | 罪、違反 |
イギリス英語で、これらの単語に「-ense」が使われるのは動詞の場合のみ。
例文:
- This drug has not been licensed in Japan. (この薬は日本ではまだ承認されていません)
- He has a driver’s licence. (彼は運転免許証を持っています)
名詞のときは常に「-ence」が使われているので、使い分けるようにしましょう!
スペルの違い⑦:イギリ英語-ll/アメリカ英語-l
語末にアルファベットのLが来る動詞が、現在形や過去形、または名詞に形を変えるとき、イギリス英語ではLが2つ、アメリカ英語ではLが1つになる場合があります。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 日本語 |
traveller | traveler | 旅行者 |
「travel」の変化形一覧をチェック!
- イギリス英語:travel、travelling、travelled、traveller
- アメリカ英語:travel、traveling、traveled、traveler
基本形の「travel」のみスペルが同じで、あとはすべてLの数が2つと1つにわかれていますね!
イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違い、その他の例
これまで紹介してきた7つのパターン以外の、基本英単語のスペルの違いについて以下の表にまとめました。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 日本語 |
cheque | check | 小切手 |
favourite | favorite | お気に入り |
grey | gray | 灰色 |
mummy | mommy | ママ |
pyjamas | pajamas | パジャマ |
tyre | tire | タイヤ |
アメリカ英語特有のスペルの多くは、アメリカの教育者であり、辞書編集者のNoah Websterがスペルをよりシンプルなものにし、アメリカ人の標準的な発音に近づけようとした改革によって生まれたものです。
イギリス英語とアメリカ英語で、スペルの違いが生まれた理由については、こちらの記事でも解説しています。
今回ご紹介したイギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いについて、すべての単語を一覧にまとめた資料はこちら。
面倒な入力は一切不要でPDFを無料でダウンロードできます。
ぜひご覧くださいね。
イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いをチェックできる無料サイト
イギリス英語で文章を書いていて、「イギリス英語の単語のスペルが思い出せない」「スペルに自信がないから念のためチェックしたい」ということがありますよね。
手元に辞書がなくても簡単にイギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いがチェックできる無料サイトを2つご紹介します。
無料サイト①:Oxford Learner’s dictionaries
イギリス英語の英英辞書の代表とも言える、Oxford Learner’s dictionariesのウェブサイト。
トップページ上部に検索窓があります。
「English」か「American English」を選べますので「English」を選択してください。
例えば、色という意味の英単語をアメリカ英語の「color」で入力すると、発音記号の下に(US English)(British English colour)と表示されるので、スペルの違いが一目瞭然です。
>公式サイト:Oxford Learner’s dictionaries
無料サイト②:Cambridge Dictionary
イギリス英語の英英辞書の定番、Cambridge Dictionaryのウェブサイト。
こちらもトップページ上部に検索窓があり、入力するだけで簡単に検索結果が出てきます。
「Learner’s Dictionary」「Essential British English」など数種類ある辞書の中からお好きな辞書を選んでください。
試しに「Learner’s Dictionary」を選択し、アメリカ英語の「color」を入力すると、発音記号の下に「US spelling of Colour」としっかり表示されました。
オックスフォードの英英辞書とケンブリッジの英英辞書、どちらのオンライン辞書もとても信頼性が高く、スマホやPCで簡単にイギリス英語とアメリカ英語のスペルがチェックできます。
ご自身が使いやすい方のサイトをブックマークして、すぐにアクセスできるようにしておいても良いでしょう。
イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いをチェックできる無料アプリ
イギリス英語とアメリカ英語をアプリで手軽にチェックしたいという方には無料英和・和英辞典アプリ、Weblioがおすすめ!
Weblioアプリで英単語を入力すると、複数の辞書や用語集の検索結果を一度に表示してくれます。
試しにアメリカ英語の「color」を入力すると、研究社の新英和中辞典の検索結果として、color(米国英語)、colour(英国英語)との説明が表示されました。
▼無料会員登録するだけで、単語帳機能が使えるのも使いやすいポイントです。
▼Weblioアプリの単語帳に登録した英単語はフォルダ分けも可能。
「新規フォルダ作成」でイギリス英語スペルのフォルダを作成すれば、イギリス英語とアメリカ英語でスペルに違いがある単語だけをチェックできるので効率的に復習できます。
まとめ
今回はイギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いの7つのパターン、イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いをチェックできる無料サイト、無料アプリについて紹介しました。
イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違い7つのパターン
- スペルの違い①:イギリス英語-yse/アメリカ英語-ize
- スペルの違い②:イギリス英語-ise/アメリカ英語-ize
- スペルの違い③:イギリス英語-our/アメリカ英語-or
- スペルの違い④:イギリス英語-re/アメリカ英語−er
- スペルの違い⑤:イギリス英語-ogue/アメリカ英語-og
- スペルの違い⑥:イギリス英語-ence/アメリカ英語-ense
- スペルの違い⑦:イギリ英語-ll/アメリカ英語-l
イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いをチェックできる無料サイト
イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いをチェックできる無料アプリ
イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いの代表的なパターンを知っておくことで、イギリス英語バージョンのスペルを効率的に習得できます。
スペルに自信がないときは今回紹介した無料サイトや無料アプリを使ってその都度チェックするようにしましょう。
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