英語のリスニングを練習していて、イギリス英語のアクセントが聞き取りづらい、と感じたことはありませんか?
日本の学校ではアメリカ英語が中心に教えられているため、イギリス英語には触れる機会が少なく、慣れていないという方が多いです。
そのように感じている方もいるのではないでしょうか。
この記事ではイギリスに9ヶ月間留学経験のある筆者が、イギリス英語が聞き取れない4つの理由と解決法について詳しく解説します。
イギリス英語が聞き取れないとTOEICで高得点を取りにくいのか、という疑問にもお答えしますので、ぜひ参考にしてください。
学生時代に大学を1年休学し、イギリスに9ヶ月間留学。
日中は現地の小中学校で日本語教師のアシスタントを務めながら、公立カレッジの夜間コースでイギリス英語を学んだ。
歴史的な建造物、緑豊かな公園、近代的なビルやお店が一体となった、ロンドンの独特の雰囲気が好き。
イギリスに行くなら、博物館や美術館巡り、ミュージカル鑑賞を楽しむのがおすすめ!
イギリス英語が聞き取れない4つの理由
イギリス英語が聞き取れないのは、イギリス英語がとくに難しいからというわけではありません。
聞き取りにくく感じるのには主に4つの理由があります。
ご自身にあてはまる理由があるかどうか、チェックしてみてくださいね。
理由①:イギリス英語を聞くのに慣れていないから
まず一番大きな理由として考えられるのは、イギリス英語を聞くのに慣れていない、ということです。
冒頭でも触れたとおり、日本の学校ではアメリカ英語を中心に習うので、日本人の多くはイギリス英語にあまり慣れていません。
普段アメリカ英語に慣れ親しんでいることで、アクセントが異なるイギリス英語が、聞き取りにくく感じられるのです。
理由②:アメリカ英語と発音が違うから
イギリス英語とアメリカ英語では発音が違う、というのも聞き取りが難しくなる理由として挙げられます。
基本的な母音・子音の発音の違いや、強勢の位置の違いなどにより、同じ単語でも音が全然違うということも珍しくありません。
例えば「advertisement(広告)」はイギリス英語では/ədˈvɜːtɪsmənt/、アメリカ英語では/ˌædvərˈtaɪzmənt/と、発音の仕方や強勢の位置に違いがあります。
- 🇬🇧(ədˈvɜːtɪsmənt):
- 🇺🇸(ˌædvərˈtaɪzmənt):
アメリカ英語の発音で覚えている人にとっては、イギリス英語の発音はわかりにくく感じるのではないでしょうか。
同じ単語でも自分の知っている発音とは異なることによって、単語が聞き取れず、理解できなくなることがよくあります。
イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いに関して、こちらの動画もぜひご覧ください。
理由③:アメリカ英語と単語が違うから
イギリス英語とアメリカ英語では、同じ意味でも単語が違う場合があるのも、聞き取れない理由の一つです。
例えばエレベーターを意味する単語はアメリカ英語では「Elevator」ですが、イギリス英語では「Lift」となります。
単語の違いに関する知識がないと、例え音は聞こえても意味がわからない、つまり聞き取れないという状態になってしまうのです。
イギリス英語とアメリカ英語の単語の違いについて、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
理由④:多種多様な訛り・アクセントがあるから
イギリス英語には多種多様な訛り・アクセントがある、ということも聞き取りにくさの一因と言えるでしょう。
日本人の多くがイギリス英語として認識しているのは容認発音(Received Pronunciation、RP)というアクセントです。
しかしイギリス国内において、RPを話すのは一部の上流階級や、教育レベルが高い人であり、その他の大多数の人々は地方の訛り・アクセントで話しています。
スタンダードなイギリス英語のRPはよく聞き取れるけれども、地方のアクセントになると、全く聞き取れないというケースは非常に多いです。
イギリス英語の訛り・アクセントについては、こちらの記事をご覧ください。
イギリス英語が聞き取れないときの4つの解決法
イギリス人ネイティブの話す内容をしっかり理解できるようになるためにはどうしたらいいのでしょうか?
イギリス英語が聞き取れないときに実践してほしい4つの解決法を紹介します。
一つずつ詳しく見ていきましょう。
解決法①:イギリス英語の教材で知識を増やす
イギリス英語特有の単語や発音を学び、知識を増やすことは、理解力を高めるのに、とても効果的です。
イギリス英語のリスニング教材も活用し、繰り返し練習しましょう。
学習目的別におすすめの教材を紹介します。
単語:キクタンBritish
イギリス英語の発音と、イギリスの日常生活でよく使われる単語を、聞いて覚えられる単語帳です。
母音・子音の発音のポイントが、単語と例文、音声付きでわかりやすく解説されています。
日常生活に登場する基礎的な単語を、起きてから寝るまでのシーン別に収録。
イギリス英語とアメリカ英語の単語の違いについても学べる内容になっています。
発音:イギリス英語発音教本
イギリス英語の発音を本格的に学びたい人にぴったりの、イギリス発音の決定版と言うべき1冊です。
母音、子音をイギリス英語らしく発音するコツ、句や文の上手な読み方について、詳しく丁寧に解説されています。
単語や例文の音声は、研究社のHPからダウンロード可能。
スマホで簡単に発音をチェックでき、とても便利です。
リスニング:イギリス英語を聞く THE BLUE BOOK
現地で生録音された、リアルなイギリス英語が聞ける教材です。
序章ではイギリス英語の一般的な特徴や、イギリス英語とアメリカ英語の違いについて学べます。
本章はロンドン、エセックス、リヴァプールなど、さまざまな地域出身のスピーカーによるトークを収録。
Unitごとに話の聞きどころや背景の説明があり、トークがより楽しめる内容となっています。
本場のイギリス英語を体感しながらリスニング力が鍛えられる1冊です。
解決法②:字幕・トランスクリプトなどを上手に活用する
イギリス英語を音声だけで聞いてもわからない、聞き取れないときは字幕やトランスクリプトを上手に活用しましょう。
音声と文字のスペルを同時に確認することで、リスニング力がアップします。
YouTubeには字幕機能があり、画面右下の字幕ボタンを押せば、英文字幕が表示されます。
イギリス人ネイティブが英語で英語を説明している動画なども、字幕を活用すれば、かなり理解しやすくなりますので、ぜひ試してみてください。
世界的な著名人のスピーチが視聴できる無料サイト、TED Talksもおすすめです。
動画でスピーチを聞く際に「Read Transcript」というボタンを押すと、画面右側にスピーチ全体のトランスクリプトが出てきます。
スピーチで話されている箇所の文章が色付きで表示されるのも嬉しいポイント。
TEDのスピーチはトピックや時間、キーワードで絞り込めますので、「British」で検索し、イギリス人スピーカーによる動画を見つけてみてくださいね。
解決法③:音声スピードを落とす機能を使う
「ネイティブの英語が速すぎて、ついていけない。」そんなときは音声スピードを落とす機能を使ってみましょう。
YouTubeやTEDでは、音声スピードを調整できる機能があります。
0.5倍、0.75倍など、細かく設定できますが、リスニング練習で調整するなら0.75倍がおすすめです。
早口に感じるネイティブの英語も、ちょうど良いスピードで聞けます。
0.5倍は遅すぎてリスニング練習になりにくく、逆に聞き取りづらくなるので、あまりおすすめしません。
解決法④:イギリス人と日常的に話す
最後におすすめするのはイギリス人と日常的に話すということです。
リスニングにおいても、実践的な練習に勝るものはありません。
イギリス人と日常的に話す機会を持つようにすることで、イギリス英語に慣れ、次第に聞き取れるようになります。
日本国内でイギリス人と話す方法としては、オンライン英会話がおすすめです。
通学型のスクールよりも比較的料金が安い、自宅で都合の良い時間にレッスンを受けやすいなどのメリットがあります。
イギリス英語が学べるオンライン英会話についてはこちらの記事をご覧ください。
イギリス英語が聞き取れないとTOEICで高得点が取りにくい?
イギリス英語が聞き取れないとTOEICのリスニングパートで高得点を取るのは難しいかもしれません。
TOEICのリスニング問題は当初アメリカ英語のみ使用されていましたが、2006年の改定以降、アメリカ英語に加えイギリス英語、カナダ英語、オーストラリア英語(ニュージランド英語含む)の発音も使われるようになりました。
TOEICのリスニングパートで高得点を狙うなら、イギリス英語やその他の地域のアクセントにも慣れておく必要があります。
イギリス英語リスニングのコツを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
今回はイギリス英語が聞き取れない4つの理由と解決法、イギリス英語が聞き取れないとTOEICで高得点が取りにくいのかについて解説しました。
イギリス英語が聞き取れない…
- イギリス英語を聞くのに慣れていないから
- アメリカ英語と発音が違うから
- アメリカ英語と単語が違うから
- 多種多様な訛り・アクセントがあるから
イギリス英語が聞き取れないときの…
- イギリス英語の教材で知識を増やす
- 字幕・トランスクリプトなどを上手に活用する
- 音声スピードを落とす機能を使う
- イギリス人と日常的に話す
イギリス英語が聞き取れないとTOEICで高得点は取りにくい。
アメリカ英語だけでなく、イギリス英語や、カナダ英語、オーストラリア英語(ニュージーランド英語含む)にも慣れておく必要がある
イギリス英語が聞き取れない最大の理由は、イギリス英語を聞くのに慣れていないからです。
今回紹介した解決法を実践し、毎日少しずつでも継続してリスニングすれば、イギリス英語を聞き取れるようになります。
イギリス英語のリスニング力が身につけば、TOEICなどの英語資格試験においても良い結果が得られやすくなるでしょう。
イギリス英語の手帖では、イギリス人ネイティブの音声付きで学べる聞き流し動画を配信しています。
イギリス英語のリスニング練習にも役立ちますので、ぜひチェックしてみてください。